自分を商品と考えたとき、その性能を十二分に伝えることができない人。
面接は企業側の立場として考えると「志望者という経営資源を購入するオークション」である。オークションでは性能の高い商品や価値の高い商品が高額で落札される。従って、志望者の第一歩は商品性能が高いこと、つまりは能力を示すことにつきるのである。それらが面接担当者に認められたとき、内定が決まる。
性能について考えてみる。ある特定の分野において最高の能力を発揮する人物、また、あらゆる分野において平均以上の能力を発揮する人物の2種類が考えられる。
前者をスペシャリスト、後者をゼネラリストと呼ぶ。志望動機をつけ詰めると、スペシャリストは特定の分野における能力、ゼネラリストは総合力を語ることといってよい。
たとえば、理工系の学生は技術系の職種を志望する例が多く、この場合はスペシャリストとしての能力をアピールしやすいのである。
一方、文系の学生は若干難しい。ただ、文系の学生でも簿記二級の資格を所持しているのであれば、経理を強く志望できるであろう。また、最近では法務関係を重視する企業が増加しているので、法学部の学生は主張しやすい。
文学部なら、公法・公告・宣伝など文章力をいかせる職場がある。このように自分の特性と適正を理解し、アピールしてみよう。
会社の人事の基本は適材適所である。会社は自社にどのような人材が不足しており、どこの部署に補給を行えばよいのかを熟慮した上で、人材選択を行う。たとえあなたが、会社の求めている人材と一致しなかったとしても「気になる存在」になるためには、自分の性能を面接担当者にきちんと伝えなくてはいけない。
面接担当者は面接志望者を見ながら、この人材を採用した場合、どのような能力があるか、どこ配属するのがもっとも効率的か、どのような仕事を与えるべきか、などを考えている。
このとき、仕事に対する適正をうまく面接担当者に伝えることができた面接志望者には適材適所を与えやすくなる。逆に適正をうまく伝えることができなかった面接志望者には不要の烙印を押すことになる。面接担当者は基本的に落とすことを考えて面接を行っているので、適正をしっかり熟知して志望動機を訴えよう。