1分~1分30秒ほどの時間で、自分にどのような人間的魅力を有しているかを語る。
自己PRを完成させるために、自分のなかにある人間的な魅力を探る作業から開始することである。そのためには自分史を紐解くことが大切だ。
方法として、まず年表を作成し、いくつの時どのようなことを考えていたか、何をしたかったか、何に関心事を向けていたか、などを可能な限り思いだし、まとめていく。そして、原稿用紙やノートなどで箇条書きにするのだが、どんな些細なことでも記入していこう。この作業で、自分がいままでに進んできた道、そして埋もれてしまった夢やあこがれなどを思い出すことができる。今の自分をつくってきた変遷を知ることができる。
自分の過去を振り返り自分史を作成したら、次に客観的な意見を求めるため、親や恋人、友人、知人に自分がどのような人間だと感じているのかを聞いてまわる。いままで気づくことのできなかった、新たな一面を知ることができる。自分では短所であると感じていた部分も自分の思いこみであり、実はよい一面だったと気づかされる場合もある。逆も然り。聞いた意見は逃さず書き記していこう。
箇条書きしてきた原稿やノートは結構な量になったと思う。それを削っていく作業が編集なのだが、これが大切な作業である。分析したものを吟味し、凝縮した自己PRに編集してこそ、実際の面接で生きる内容になる。編集の完成度が悪いと、面接で「簡単に自己PRしてください」という面接担当者の要求しているレベルに達する回答が得られず、グダグダになってしまう恐れがある。
面接で利用する自己PRは400字詰めの原稿用紙にて3~4枚程度が望ましい。これで1分~1分半の時間を話すことができる。しかし、箇条書きしてきた原稿を、そこまでまとめるのは大変だろう。
そこで参考にしたいのがテレビCMだ。ご存じの通りテレビCMは15秒や30秒、長くても1分で私たち消費者に商品のセールスポイントをうったえている。自己PRも同じで、自分という商品を1分~1分半の時間で、自分のセールスポイントを紹介するつもりで編集作業をすすめてみよう。
編集で注意しなくてはいけないのが、単調な言葉でまとめようとしないこと。「行動力」「好奇心」「創造力」「責任感」などといった、ありふれた言葉を使ってまとめようとせず、たとえば「私は○○な人間です」とストレートに表現するのではなく、○○であることを証し示す経験談を添えるようにし、面接担当者を納得させられる内容であることが大事である。