ある男子学生がいる。この学生が選んだ業種は出版やマスコミ関係のみ集めた50社である。そのすべてに不採用を言い渡されてしまった。また、ある女子学生は化粧品関係のみの会社20社について全滅した。
最近の志望会社の選択基準は「好きな業界」や「知っている企業」のみ偏って応募する傾向にあるようだ。たしかに会社を選択する基準には好き嫌いは重要である。もちろん憧れ基準でもよい。
しかし考えてみよう。果たして適正があるのだろうか。「好きな業界、会社、仕事であればやりがいが沸いてくる」と反論してくるが、もし希望の業界に採用されたとして、どのようなことをしたいのか。他の業界ではやりがいを得られないといっているようなものであるが、マスコミ関係のみ50社に応募した男子学生は、マスコミ業界に入ることが目的であり、会社はどこでもよかったのではないだろうか。
その場合、マスコミ関係の社員に晴れてなったとしても、それだけではやりがいを得られるわけではない。マスコミ関係に所属していたいだけであれば、本人の将来を考えると決してよいとはいえない。
「好き」に固執するのではなく、目的意識のある会社選びをしていただきたい。