適正と志望している職種に違いがあると失敗する。
職人さんにこの道○○年という人がいるように、会社員にも営業一筋、技術1本やりなどいる。逆にさまざまな部署を転々とした人もいる。適材適所を表した端的な例であるが、会社は適材適所を念頭に入れて人材を選ぶ。実際に働く現場にて適正を見極める前の段階として、新入社員には適正をアピールする面接の場が用意されているのである。入社するための第一歩である面接の自己PRでは、志望職種との適性がより重視される。
会社は社員の適正を判断して人事を行うものである。営業一筋の社員は会社が営業にもっとも適しているものと判断したために違いないであろう。また、さまざまな部署に転属した社員はマルチ的な才能があると判断したためであろう。このように会社は社員を無駄に働かせるようなことはしない。
高齢化社会と言われ続け数年が経過しているが、いまだに介護市場では人手不足が続いている。この市場に見合った人材には神経がこまやかで面倒見のある者しか向いていないだろう。営業職を目指すのであれば、誰とでも気軽に話せる柔らかさと押しの強さが必要だ。総務や経理を目指すのであれば、緻密な計算力や単調で繰り返し作業に耐えることのできる辛抱強さが必要だ。逆に機械や電気などが苦手な方はセールスエンジニアには向いていない。
これらの示すことは、自己PRを構築する際に志望職種・職業に対する適正を間違えずに判断することが大切であるということである。何事にも人間には向き・不向きがある。志望職種・職業に必要である能力が自分にあるかどうか、どんな仕事で能力を発揮することができるかが自己PRを行う上で大変重要なことだ。
たとえある特定の分野にずば抜けた才能(能力)を有していたとしても、それを十分発揮することのできる場にいなくては、宝の持ち腐れとなってしまう。その部署では評価されない。結果が伴わなければ報酬に反映されない。自己PRを構築するときは志望職を見据えることが必要である。
編集で注意しなくてはいけないのが、単調な言葉でまとめようとしないこと。「行動力」「好奇心」「創造力」「責任感」などといった、ありふれた言葉を使ってまとめようとせず、たとえば「私は○○な人間です」とストレートに表現するのではなく、○○であることを証し示す経験談を添えるようにし、面接担当者を納得させられる内容であることが大事である。